読むだけでレガシーの”いま”がわかる!ダスクモーン:戦慄の館編【by MOパンダ】
こんにちはー。MOパンダです。
今週末はいよいよ、日本で年に一度の大型イベント「エターナルウィークエンド」が開催されます!
その大型イベントを目前に、先週はオンライン・オフライン共に大きなイベントが行われました。オンラインでは、レガシーフォーマットによるチャンピオンシップファイナル予選「Legacy Super Qualifier」が開催されました。
また、オフラインでは、関東で「レガシー神挑戦者決定戦」、関西で「関西帝王戦レガシー」といった、参加者の多いイベントが行われました。
今回のエターナルウィークエンドに向けて、これらの大会結果を基に現在の環境デッキをひも解いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
レガシー神挑戦者決定戦
レガシー神挑戦者決定戦は参加者208名と大規模での開催になりました。
スイスラウンドのTOP16がこちら。
その中で優勝したのは2位抜けの最後の審判でした。
最近流行りのメインとサイドに多くのクリーチャーを採用し、《最後の審判》をプレイせずとも勝てる構成です。
《知りたがりの学徒、タミヨウ》で生成される手がかりと《超能力蛙》のドローによって《最後の審判》が解決されたターンにゲームに勝つことができます。もし《最後の審判》がカウンターされても《老練の学匠、タミヨウ》の-3起動で墓地から回収し、もう一度仕掛けることが可能です。
サイド後は《バロウゴイフ》と《濁浪の執政》が採用されています。
コンボデッキ相手のサイドボードは、クリーチャー除去呪文を減らし、カウンター呪文を増やすのが一般的です。よってコンボデッキ側はクリーチャーで攻めるプランが有効になります。
《バロウゴイフ》は《暗黒の儀式》1枚からプレイでき、能力によって後続のクリーチャーを回収することが可能です。サイズが大きくなれば、《最後の審判》をプレイしてアタック→墓地に落ちた《タッサの神託者》を回収して唱えて勝利といった勝ち方も。
インスタントやソーサリーを多用するデッキにおける《濁浪の執政》は、非常に大きなサイズで出せます。
《最後の審判》によって墓地のインスタントやソーサリーが追放されるため、突然20点以上のダメージを与えるプチコンボも。
青黒系のデッキが隆盛する前は、《稲妻》や《秘密を掘り下げる者》を使ってライフを攻めるデッキが多く、《最後の審判》をプレイした返しに負けることもありました。しかし、現在は《超能力蛙》が除去しにくいことなどもあり、《稲妻》を除去として採用しづらく、速攻型のデッキが減少してきています。
現状、ライフを攻めるデッキが少なく、《最後の審判》デッキは有利なポジションにあると言えるでしょう。
このデッキは《最後の審判》のパターンをたくさん覚える必要があるため職人向けで、いきなり使いこなすのは難しいため、使用者が増えないのは嬉しいところです。(※筆者は《タッサの神託者》を採用したデッキが苦手です)
大会結果で気になるのは、トップ16に白いデッキが不在だった点です。特に《剣を鍬に》を使用するデッキが一つもありませんでした。
《剣を鍬に》は、除去呪文の中でも最高峰とされますが、結局は1対1交換の除去呪文に過ぎません。今回の大会では、《偉大なる統一者、アトラクサ》による膨大なアドバンテージや、上位に多かったクリーチャーを使わないコンボデッキに対して、通用しなかったと言えるでしょう。
新カードで大幅に強化された青黒リアニメイトも入賞しています。
新カードの《変化の狂信者》と《除霊用掃除機》が採用されています。
《変化の狂信者》は、青黒リアニメイトデッキをさらに強化したカードです。
いくつか強い理由がありますが、まずは《悲嘆》がなくなったことによる、墓地対策に対抗する手段として優秀。特にこれまでは《フェアリーの忌み者》に対応するのは難しく、《再活性》や《動く死体》の場合、墓地対策と1対1交換となってしまうため、ゲームをうまく進めることができませんでした。
しかし、《変化の狂信者》の場合は、4/4の絆魂クリーチャーを残しつつ、相手に墓地対策を使わせることができるため、より有利な状況を作り出すことが可能です。
ゲームが長引いて墓地に《変化の狂信者》が溜まると、1枚の《変化の狂信者》で2枚目を場に戻し、連鎖的に展開することが可能です。さらに、絆魂によって《再活性》のライフロスが気にならなくなる点も、このカードの優秀な特徴です。
《除霊用掃除機》は《未認可霊柩車》のような墓地対策です。
1枚ずつしか墓地からカードを追放できませんが、1マナであることが大きな採用理由になります。
ゲームが長引いたとき、下の6マナの起動型能力を使うこともあります。
追放されたクリーチャーの1/1のコピートークンではなく、追放したクリーチャーが戻ってきます。相手の《超能力蛙》を戻して《厚かましい借り手》でバウンスされることもあるので気を付けましょう。
■関西帝王戦レガシー
62名開催だった開催帝王戦レガシー。
TOP8に《古えの墳墓》が24枚あります。
その中で優勝したのは赤単ペインターでした。
《絵描きの召使い》と《丸砥石》を揃え、相手のデッキを破壊するコンボデッキです。
最近では定番となってきた《アガサの魂の大釜》が採用されています。
このカードはトップメタのリアニメイトに対して、メインから墓地対策ができる点が強力です。また、《Phyrexian Devourer》とのコンボで大幅にパンプアップし、ライフを攻めて勝利することも可能。
ペインターデッキには珍しく《栄光の闘技場》が2枚採用されています。
この土地はモダンのエネルギーデッキでよく見られるものですが、ペインターデッキでも驚異的な活躍を見せます。
《ゴブリンの技師》や《ゴブリンの溶接工》に速攻を付与して即起動からコンボパーツを揃えることができます。
さらに《アガサの魂の大釜》しかない状態から《ゴブリンの技師》で《Phyrexian Devourer》を落とし、速攻を持ったまま攻撃して《アガサの魂の大釜》でパンプアップし、ゲームを終わらせることも。
「ペインターデッキには速攻持ちはない」と思いがちですが、頭の片隅に入れておくべきです。予想外の動きに備えましょう。
■MAGIC ONLINE
これらのイベントの裏ではLegacy Super Qualifier(マジックオンラインで行われる地域チャンピオンシップ)が行われました。
参加者236人。TOP16はこちら。
一風変わったデッキの多いTOP8でしたが優勝したのは赤単プリズンでした。
流行りの《苛立たしいガラクタ》型です。メインのカードがほぼすべて4枚ずつで構成されており、その美しさが際立ちます。使用者の多いエルドラージデッキに対して、《血染めの月》が強力で、《一つの指輪》はあらゆる盤面でチャンスをもたらす、どの相手にも機能するカード。
定番となりつつある『モダンホライゾン3』の両面カード《引き離しの噴火》ですが、《血染めの月》デッキでは《石の雨》のように運用することが可能です。
《引き離しの噴火》をケアしようとすると、デッキ内に基本土地を残して動く必要がありますが、デュアルランドばかりをサーチすると《血染めの月》にハマってしまいます。そして《血染めの月》をケアして基本土地を優先してサーチすると、結果として《引き離しの噴火》のサーチ先がなくなってしまう。
デッキ内に基本地形が2枚前後しか入らないレガシーフォーマットでは、この組み合わせが非常にハマりやすいので注意が必要です。
■まとめ
エターナルウィークエンドに向けたまとめ記事は以上です。
《超能力蛙》に強い《紅蓮破》や《赤霊破》を使用できる赤単プリズンやペインターが増えている印象です。一方、《剣を鍬に》を使用するコントロールやデス&タックスはエルドラージに不利で、勝ちきれない状態が続いています。
リアニメイトデッキが一強に見えるものの、メインから墓地対策を入れるデッキが増えてきており、週末はどうなるかわかりません!現地の大会が楽しみです。
読んでいただき、ありがとうございました!