『イニストラードを覆う影』参入後のスタンダードに備える:フェッチランドの失われた先へ

 

多くの方がご存知の通り、来月8日にはマジックの新しいセット『イニストラードを覆う影』が発売する。旧『イニストラード』から約4年半、我々は再び怪異の跋扈する暗黒の世界へと誘われることになるだろう。

しかし新しくやって来るものがいれば去るものもいる。恐らく競技人口が最も多いであろうスタンダードフォーマットには「ローテーション」と呼ばれるシステムが存在し、古いセットが使えなくなる代わりに常に環境の鮮度を保ってくれている。今回はそんな最新のローテーションがもたらす影響について少し考えてみよう。

「ローテーション」とは何か

ここ数年のセットでスタンダードをプレイしている方々は重々ご存知かとは思われるが、初心者及び復帰者向けに改めて説明したいと思う。ローテーションとは前述した通り「競技フォーマットとしての鮮度を保つためのシステム」だ。古いカード達に別れを告げ、新しいカード達を使用することで戦術・戦略の長期に渡る固定化、及び過度のカードパワーのインフレーションを防ぐ。競技性の確保と同時に商品としての延命も出来るというわけだ(もちろん最新セット販促の一環でもある)。気をつけたいのが、そのローテーションに関するルールが前回の戦乱のゼンディカー・ブロックより変更になっているという点である。

《2016年4月8日以降のスタンダード使用可能セット》

【タルキール龍紀伝+マジック・オリジンブロック(特例)】
・『タルキール龍紀伝』
・『マジック・オリジン』
【戦乱のゼンディカーブロック】

・『戦乱のゼンディカー』
・『ゲートウォッチの誓い』
【イニストラードを覆う影ブロック】

・『イニストラードを覆う影』NEW!!

『タルキール覇王譚』『運命再編』『タルキール龍紀伝』の3製品からも分かるように以前までブロックは合計3セットで構成され、スタンダードは2ブロック+1~2つの基本セットから成っていた。しかし基本セットのなくなった『戦乱のゼンディカー』以降は1ブロックが2セットとなり、スタンダードもシンプルに3ブロック制へと変更された。制度移行上の矛盾を解消するため、『タルキール龍紀伝』と『マジック・オリジン』が擬似的な1ブロックとして見做されていることにも注意したい。

ローテーションで何が変わるのか

今回のローテーションでスタンダードから外れる『タルキール覇王譚』及び『運命再編』。友好色フェッチランドや3色の強烈なクリーチャー、探査持ちの強力なドローソースが消えた環境とは一体どのようなものなのだろうか。

1.過剰な多色化の終幕

jp_l1fHpZ5K7Q先日公開された『イニストラードを覆う影』の新しいレア土地サイクル(呼称は現在シャドウランドが有力だ)。一見バトルランドとの相性も良いように見えるが、序盤にシャドウランドを置き過ぎると逆にバトルランドがタップインしてしまうというジレンマを抱えている。以上から次環境のマナベースはより複雑化することが予想され、前環境のような4色デッキを成立させるのは至難の業となるだろう。

2.一部アーキタイプの残存

Imageエスパードラゴンは全体で見ると失うものは少なく、マナ基盤も他の3色と比べて安定している。しかし次のコントロールデッキの課題は何より「《時を超えた探索》の枠をどうするか」ではないだろうか。赤緑ランプは《精霊龍、ウギン》というリセットボタンを失うものの、クリーチャーの小型化により相対的に《炎呼び、チャンドラ》《龍王アタルカ》が強化される可能性がある。バント中隊もマナベースは若干悪化するがその他のパーツはまるまる残っている。強力な除去呪文である《闇の掌握》をすんなり採用できる黒赤は《ゴブリンの闇住まい》コントロール型、ドラゴン型、その両方が生き残るだろう。ドローソースを失った青を切り捨て、《死の宿敵、ソリン》を投入した白黒コントロールも十分にアリだろう。エルドラージアグロは《幽霊火の刃》の喪失がどれほどの環境的弱体化に繋がるかが焦点となる。

3.新アーキタイプの台頭

CcyGevMUMAABkeq『イニストラードを覆う影』の参入にあたり、「黒赤吸血鬼」「赤緑狼男」「青黒ゾンビ」などの部族デッキが台頭する可能性は頭に入れておきたい。赤緑狼男は《吠え群れの復活》《アーリン・コード》との噛み合いとロードクリーチャーの不在から《集合した中隊》型はないだろう。青黒ゾンビは若干のパーツ不足感は否めないが、個々のパワーは十分なのでアーキタイプとして成立する可能性もある。黒赤吸血鬼はマッドネスの性能如何ではあるが、《ファルケンラスの後継者》から《手に負えない若輩》の動きを始めとするいわゆるドブンが非常に魅力的だ。マッドネスに関しては部族以外に青黒、黒赤、青黒赤からなるコントロールデッキにも大いに試す価値があると思われる。特に《炎呼び、チャンドラ》の0能力とマッドネスの相性は最高だ。

新たな環境に備えよう

アイキャッチ現在のスタンダードで遊べる期間も残り2週間を切った。セットの発売直後はカード価格の上下が激しく、早い段階からパーツを揃えたりプロキシカードでデッキを調整したりしつつ、新環境に備えておくのも悪くない選択だ。

関連リンク

『タルキール龍紀伝』カードギャラリー – MTG米公式サイト
『マジック・オリジン』カードギャラリー – MTG米公式サイト
『戦乱のゼンディカー』カードギャラリー – MTG米公式サイト
『ゲートウォッチの誓い』カードギャラリー – MTG米公式サイト
『イニストラードを覆う影』カードギャラリー – MTG米公式サイト

203 コメント on 『イニストラードを覆う影』参入後のスタンダードに備える:フェッチランドの失われた先へ

  1. [201] 名無しのイゼット団員 2016/03/30(水) 17:07:29 ID:UxMDUwMzc

    新カードの影響はわからないけど、
    モダンは、エルドラージ関連のカードが禁止なるとおもわれるこら、
    当面は流動的な環境になるかと。

  2. [202] 名無しのイゼット団員 2016/03/30(水) 17:10:58 ID:c2NTE3MTQ

    ※186
    なるほど…
    悪意の調合とも相性いいしデーモンとかで早めに殺すプランがメインだしよさそうだな
    試してみるよ、ありがとう

  3. [203] 名無しのイゼット団員 2016/03/30(水) 17:11:15 ID:Q1MjE5Nzk

    苦渋の破棄とか単体でいいのはあるが環境左右するアーキタイプはsoiに無い。

    …調査…エイトグ……うっ、(ry

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