日本時間の12月1日、マジック：ザ・ギャザリング公式サイトより背景世界記事であるMagic Story『真夜中に』が公開されました。

今回からストーリーは『霊気紛争』編へと突入。寿命が目前に迫った霊基体のヤヘンニは夜の街を彷徨い歩きますが、領事府の下した緊急法令によって街からは普段の喧騒が消え失せていました。彼が孤独に消え去ろうとしたその時、改革派であり宴会係のニブドを発見します。再会を喜ぶヤヘンニ。ですが既に執行官の魔の手が彼らのすぐそばまで迫っているのでした。

あらすじ

霊基体のヤヘンニは残り僅かな寿命を目前に夜の速接会地区へと繰り出す。しかし領事府の夜間外出禁止令によって大通りは無人、存在を感じるのは死の匂いを嗅ぎ付けたグレムリンだけだった。このまま孤独に消えていくと思われたその時、数区画先からよく知った気配が。ニブド。改革派の一人にして我がパーティーの料理担当。土壇場での再会に喜ぶヤヘンニだったが、残り十数分の命ではもう「直前パーティー」を開く時間はない。中止を告げたその瞬間、博物館の角から領事府の執行官が現れる。随伴する自動機械の攻撃に倒れるニブド。執行官がさらにニブドを蹴りつけ挑発すると、ヤヘンニは躊躇なく執行官の生命力を吸収した。高揚と苦痛。彼は十二日分の寿命を得て、そして自らが忌避する殺人者となった。

ニブドを自分の屋敷に匿うと、ヤヘンニは残りの寿命をニッサ達のために使うべく彼らの居場所を知っているであろう犯罪王ゴンティの下へと向かう。倉庫とは思えないほど豪奢な内装の奥にあるプールに彼はいた。窃盗霊気と霊気香油を使った浴槽と、胸の人工心臓。ヤヘンニがニッサ達のことを切り出すとゴンティはあっさりとその居場所を吐いた。ただしじき領事府をその場所にけしかける、我が組織の被害を減らすために先に領事府を攻撃させよと。

ヤヘンニが彫像庭園にあるヴィダルケン像の梯子を登ると、上から脳のないものがくるとの失礼な声が。ヤヘンニがニッサの名前を呼ぶとチャンドラが代わりに扉を開き、彫像上の空間へと引き入れる。中にはジェイス、チャンドラ、ギデオン、リリアナ、そしてニッサ。ピアは別の改革派との接触に、アジャニとオビアは食料の調達に出かけていた。領事の襲撃と自分の館への避難を訴えるヤヘンニ。ニッサの信頼できるとの言葉もあって皆は早速行動を開始する。ヤヘンニが先陣を切ると、像の下には既に領事府の車両が迫っていた。このまま下へ降りれば追跡からは逃げられない。かといってここで引き返せば像に閉じ込められることになる。ヤヘンニは梯子から車のボンネットへと飛び移ると、その上から運転手の生命を吸収した。さらに十日伸びる寿命。忌まわしい、最早自分が何者なのかすらか定かではない。追ってきたニッサに心情を吐露する。私は今日二人も殺してしまった、殺人者の家など隠れ家に使えまい、と。しかしニッサは友達ですからと優雅に返す。そうか、彼らもまた過ち人なのだ。ならば私も彼らと同じように傷つけてしまった以上のものを残りの寿命で救わねば。ヤヘンニは確信を胸に皆を館へと案内するのだった。

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ソース

真夜中に – MTG米公式サイト