『灯争大戦』。それは数多のプレインズウォーカーが集結し、多元宇宙の脅威であるニコル・ボーラスへと立ち向かう物語である。

その証拠に、本セットにはなんと36（+1）種類ものプレインズウォーカーが収録され、今まで作られることのなかったレアやアンコモンのプレインズウォーカーまで登場している。そしてそんな彼らの能力起動を支えるべく、懐かしのメカニズムが復活を遂げた。そう、「増殖/Proliferate」だ。

増殖はかつてミラディンの傷跡・ブロックで登場した邪悪なファイレクシア陣営の能力だったが、本セットではどうやらある程度普遍的な概念として採用されているようだ（ルールも少し変更になっているので公式記事をご確認いただきたい）。

セットには忠誠カウンターの他にも増殖とシナジーするメカニズムとして、シンプルな+1/+1カウンター、そしてそれを利用した「動員」が用意されている。これからのリミテッド、ひいてはスタンダードにおいても「カウンター」がより重要な意味合いを帯びてくるのは間違いないだろう。

本記事で初公開となるカードも、そんなカウンターの力を十二分に引き出すデザインとなっている。ご紹介しよう、《マーフォークのスカイダイバー》だ。

《マーフォークのスカイダイバー》

恐らくシミック連合の所属と思われる《マーフォークのスカイダイバー》。

まず単純に自身に+1/+1カウンターを置くことで2マナ2/2の飛行持ちとなる。この時点でリミテッドでは十分強力で、しかもこのカウンターは自分以外にも置くことができるため戦線を容易に後押しすることができるだろう。増殖についても、本セットのリミテッド環境であれば使い所に困ることはない。

次にスタンダードの観点から見てみよう。ここで注目すべきはクリーチャー・タイプ「マーフォーク」である。マーフォークはイクサラン・ブロック、そして『ラヴニカの献身』でも+1/+1カウンターを中心としたシナジーを形成しており、現在のリストもそれを活かしたものになっている。

MO競技リーグ5-0：マーフォーク　プレイヤー：apple_Neosky
デッキリスト
4:《繁殖池/Breeding Pool》 5:《森/Forest》 4:《内陸の湾港/Hinterland Harbor》 5:《島/Island》 4:《手付かずの領土/Unclaimed Territory》 22 lands 4:《水底の生術師/Benthic Biomancer》 4:《深根の精鋭/Deeproot Elite》 4:《翡翠をまとう者/Jade Bearer》 4:《オラーズカの暴君、クメーナ/Kumena, Tyrant of Orazca》 4:《クメーナの語り部/Kumena’s Speaker》 4:《マーフォークの霧縛り/Merfolk Mistbinder》 2:《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》 4:《銀エラの達人/Silvergill Adept》 30 creatures	4:《孵化+不和/Incubation+Incongruity》 4:《深根の水域/Deeproot Waters》 8 other spells 2:《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》 4:《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》 4:《否認/Negate》 3:《形成師の聖域/Shapers’ Sanctuary》 2:《睡眠/Sleep》 15 sideboard cards

ここに《マーフォークのスカイダイバー》を投入することで貴重な航空戦力を確保できる他、《水底の生術師》の能力を誘発させたり、《オラーズカの暴君、クメーナ》や《深根の精鋭》で+1/+1カウンターをばらまいた後にそれらを増殖で一気に強化したりと、能力の運用についても非常に夢が広がる。

リミテッドでも、スタンダードでも。ぜひ実際にデッキに入れて《マーフォークのスカイダイバー》の強さを確かめてみてほしい。

『灯争大戦』プレビューは中盤戦に突入

いかがだっただろうか。『灯争大戦』のカードはどれを取っても強力で心が躍るばかりだ。MTGアリーナでの先行実装や、今月末のプレリリースイベントも待ちきれない（なんと今回のプレリリースキットには日付入りのフォイルプレインズウォーカーが確定で封入されているらしい！絶対参加しなければ）。

なお当サイトでは、世界中で公開された『灯争大戦』の新情報を収集し掲載している（確認はこちらから）。全3週のうち1週目の終了が近づいてきたプレビューウィーク。ここから公開されるであろう、更なる驚きに満ちたカードたちをお見逃しなく。

関連リンク

『灯争大戦』カードセット・アーカイブ – マジック米公式サイト